若者の活字離れがよく言われいますが、活字の代表ともいえる「小説」と「エッセイ」。違いを説明しろと言われるとなかなか言葉にするのは難しいと思います。
その違いは?
- 小説は読者が楽しめるように作られた作り話
- エッセイは作者が体験した物事に対する感想や思想をつづったもの
小説
小説は、自由な方法・スタイルで散文により作成された文学の形式のひとつです。
※散文:短歌や俳句のように「五・七・五」調のような一定のリズムにより作られる韻文(いんぶん)とは違い、韻律(いんりつ)や句法にとらわれず、自由に作成された文章のこと。
君子が国家や政治に対する姿勢を示すものを「大説(たいせつ)」といいます。
これに対して、日常の生活に関わることへの意見や主張、噂などを書いたり、虚構や妄想(もうそう)などの作り話を書いたりするものを小説と呼びます。
小説には、色々な種類があります。
作家自身の作風や文体によっても色々な違いがありますが、大きくわけて純文学と大衆小説にわけられます。
純文学
純文学は、純粋な芸術性を目的とされる文学のことをいいます。
作家の身の回りのことが書かれています。社会問題や、あるテーマをもとに書き上げられている小説であり、それに加えて芸術性もある作品をいいます。つまり、情景描写や文章、作品全体に美しさが強く求められます。
その芸術性の高さから、学問の研究の対象となり、文脈を読み解かれたりしています。
「純文学」は、広い意味での文学に対して、美しさを重要視した文学として主に明治時代に用いられました。しかし、最近では純文学と大衆小説の境界はあいまいとなっています。
大衆小説
純文学に対して大衆小説は、娯楽性(ごらくせい)の高い小説を意味します。
事実をもとにつくられているノンフィクションと完全な作り話であるフィクションとがあります。
フィクションでは、ホラーやミステリー、SF、恋愛などさまざまなジャンルがあります。
エッセイ
エッセイは自由な形式で書かれた文章。作者の体験談や、何かしらの物事に対しての感想などを気の向くままに記したものをいいます。
海外での「エッセイ」は、日本でいう所の「エッセイ」よりも、かたいイメージで、小論文や、論評、論説といった意味で使われます。そもそも、日本では、「エッセイ=随筆(ずいひつ)」と言われがちですが、随筆とエッセイは厳密には異なるようです。
随筆は作者の体験した物事と、それに対する気持ちなどを文章にしていることが多いです。それに対して、エッセイは体験した物事の描写というよりは、作者の心の描写に重点をおいて文章にしている作品が多くあります。
出典