どちらの言葉も女性の生理的な出血を意味する言葉で、月経も生理も意味は同じです。
- 月経は、医学用語で“子宮からの生理的な出血”を意味します。
- 生理はもともと、生理現象で生物が生きていくうえで必要な現象のことです。
月経
月経はおよそ28日の周期で子宮内膜がはがれ落ちて出血をともないながら体外に排出されることです。
月経の周期は大きく4つに分類されます。
- 卵胞期(らんほうき):ホルモンの影響で卵巣にひと月に1個、卵子が受精可能な状態に成長します。この時期には、子宮のなかでは内膜が少しずつやわらかく、ぶ厚くなっていきます。
- 排卵:卵巣で成長した卵子が卵管に吸い上げられ子宮へ移動します。
- 黄体期(おうたいき):子宮から分泌される成分の作用で子宮内膜がさらに厚みをましベッドのようにフカフカになり受精卵が着床できる状態になります。
- 月経:黄体期に着床がなかった場合は、フカフカにぶ厚くなった内膜が出血とともに体外に排出されます。
この4つの周期を女性は繰り返します。
月経での出血は、病気やけがによるものではないので心配することはありません。しかし、女性は月経中には様々な体の不調を訴える場合があります。
体の不調で多いのは
- 腹痛・下腹部痛
- イライラする
- 頭痛
- 胸がはる
が上位となります。
生理
生理とは一般的には生理現象のことをいいます。
老若男女をとわず、人間が生きていくうえでおこる体の変化のことをいいます。
生理現象とは
- 呼吸をする
- 心臓を動かす
- げっぷをする
- おしっこをする
- うんちをする
などです。
女性にとって月経は、生きていくうえで当たり前のようにおこる体の変化で生理現象のひとつです。そのため、生理と呼ぶようになったと考えられます。
では、“生理”が現在のように定着するに至ったのはなぜなのでしょうか? もともと医学用語である月経という言葉が一般的に使われることはありませんでした。
昔は、使った生理用品をすてるゴミ箱を「汚物入れ」と呼んでいたことに象徴されるように、女性の生理的な出血を不浄視する環境でした。
そのため、女性が生理であっても、おおっぴらに「生理です」といえるような環境ではありませんでした。
あまり人に知られないように「あれ」と表現していました。
そんななかで「生理」という言葉が使われるようになったのは、昭和22年の労働基準法の改正により「生理休暇」という制度ができたからです。
法文のなかに「生理日の就業が著しく困難なるものは」という言葉が使用されたのが最初です。
時を経て、昭和36年には「アンネのナプキン」が日本最初の「生理用品」として発売されました。
このことがきっかけで月経のことを「生理」という言葉が一気に広がったと考えられています。
月経の別称としては他には
- つきやく(月役)
- つきのさわり(月の障り)
- さわり(障り)
- つきのめぐり(月の巡り)
- めぐり(巡り)
- つきのもの(月のもの)
などがあります。
出典