小惑星と彗星の違いは、コマとよばれるガスや塵(ちり)による大気や尾の有無です。
- 小惑星は、太陽系小天体のうちコマや尾をもたないもの
- 彗星は、太陽系小天体のうちコマや尾をもつもの
※太陽系小天体とは、太陽のまわりを公転する、惑星や準惑星以外の天体です。衛星は含まれません。
小惑星とは
太陽系小天体のうち、コマや尾をもたないものです。
小惑星は以下のようなものと考えられています。
- 太陽系が生まれたころに、原始惑星にまで成長できなかった微惑星
- 一度原始惑星にまで成長したが、その後の衝突で砕けたかけら
- 上のかけらが再度集まったもの
- 小惑星のほとんどは、丸みを帯びたいびつな形をしています。
球形となっているのは、一部の大きいものだけで、ほとんどが火星と木星の間の軌道を公転しています。
その中でも太陽からの距離が約2~4天文単位の範囲に集まっているので、そこを小惑星帯(メインベルト)といいます。
※天文単位(記号au)とは、地球と太陽との平均距離を1とするものです。
1au=149,597,870,700mと定められています。
地球に降ってくる隕石の多くは、小惑星帯に存在する小惑星あるいはその破片です。
小惑星帯以外に存在する小惑星は、特異小惑星とよばれます。
太陽系の外縁部にあるエッジワース・カイパーベルトや、さらにその外側にも存在しています。
また、地球の近くを通る可能性が高いものもあります。
このように、公転軌道のわかっているものだけで40万個をこえています(2009年1月時点)。
彗星とは
太陽系小天体のうち、コマや尾をもつものです。
彗星の本体(核)は、中心部に輝く固体で、いびつな形をしています。
彗星の本体は以下のようなものでできています。
- 水(氷として存在) 彗星の本体の約80%を占めます。
- 二酸化炭素や一酸化炭素などのガス
- 岩石質や有機質からなる微量の塵(ちり)
- 数kmから数十kmの大きさをした、汚れた雪玉のようなものです。
彗星は、太陽から遠い場所にいるときは、小惑星と区別がつきません。写真でみると流れ星と同じように見えます。しかし実際には、流れ星はすぐに見えなくなるのに対し、彗星は尾を引いたまま天空にとどまって見えます。
彗星の公転軌道は細長い楕円形のものが多く、放物線や双曲線を描くものもあります。
公転軌道が放物線や双曲線となるものは、一度だけ太陽に近づき、二度と戻ってきません。
公転周期で以下のように分類することができます。
短周期彗星
公転周期が200年以内のものです。
- 惑星の公転軌道とほぼ同じ平面を、惑星と同じ方向に公転
- 有名なハレー彗星は76年周期で、ハレー彗星以外に大型のものは少ない
- 海王星の外側にあるエッジワース・カイパーベルトが供給源だといわれています
長周期彗星
公転周期が短周期彗星より長いものです。
- 惑星の公転軌道と無関係で、公転の方向の規則性はありません
- 大型の彗星になるものが多い
- 太陽から2~10万天文単位付近を大きく球状に取り囲むオールトの雲が供給源だといわれています。
ただし、オールトの雲自体の存在はまだ明らかにされていません。
彗星のコマや尾のもととなるガスや塵は、太陽に近づくことで彗星本体が熱せられ、それによって放出されます。
※コマは、放出されたガスや塵が彗星本体のまわりを球状に覆った大気のことです。
※尾は、太陽からの放射圧と太陽風によって太陽と反対の方向にできるもので、2種類あります。
- ダストテイル:塵や金属でできた白っぽい尾で、曲線を描きます。一部の粒の大きな塵は彗星の軌道上を公転し続けており、これが流星群のもととなります。
- イオンテイル:イオン化されたガスでできた青っぽい尾で、直線状になります。プラズマテイルともよばれます。
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出典