- 硬水(こうすい)はカルシウムとマグネシウムの金属イオンを多くふくんだ水のこと
- 軟水(なんすい)はカルシウムとマグネシウムの金属イオンをあまりふくまない水のこと
硬水
水はカルシウムイオンとマグネシウムイオンをふくんでいます。
1000ml中の水にとけているカルシウムと、マグネシウムの量を表した数値を“硬度”といいます。
WHO(世界保健機関)では硬度が120mg/L以上の水を硬水といいます。その中でも、硬度が180mg/L以上の水が非常な硬水といわれます。
硬水は人によっては口あたりが重く、飲みにくいと感じる人もいます。そのため、マグネシウムが多い硬水ほど飲みごたえを感じるようになります。
ヨーロッパや北米の水は硬水が多いです。
それは、ヨーロッパや北米の大地では、水が地中にしみ込んでから湧き出るまでの時間が長いためです。
大地にしみ込んだ雪や雨水は、地中で汚れやゴミがろ過され、地中のミネラルを吸収するからです。
そんな硬水のメリットは
- 便秘解消効果が期待できる……硬水に多くふくまれるカルシウムは下剤にも使われており、便通をよくする効果がきたいできます。
- 洋風の煮込み料理にむいている……硬水には肉のクサミを消したり、アクを出やすくしたりする働きがあるので洋風の肉を煮込むような料理にてきしています。
- 動脈硬化の予防……カルシウムやマグネシウムには血液をサラサラにする効果があるといわれており、動脈硬化を予防し病気のリスクを減らすことが期待できます。
以上が硬水のメリットです。しかし、同時にデメリットにもつながっています。
硬水を利用するデメリットは、硬水にふくまれているカルシウムがろ過しきれないと結石のリスクが高くなったり、下剤の効果もあるため、おなかがゆるくなったりする可能性もあります。
また、素材の風味を生かしたい料理には、マグネシウムに独特の苦みがあるため、むきません。
軟水
軟水は硬度が120mg/Lの水のことです。
※WHOのガイドラインでは「0~60mg/Lが軟水」
「60~120mg/Lが中硬水(中程度の軟水)といいます。
軟水は口あたりがまろやかで、やわらかいので飲みやすいと感じる人が多いです。特に日本の水はそのほとんどが軟水であるため、日本人にとっては軟水のほうが飲みやすいと感じる人が多いです。
軟水のメリットとしては
- 日本料理にてきしている……素材をいかした料理には、無味無臭の軟水が適しています。
- コーヒー等の香りが重要な飲みもの抽出にむいている……無味無臭のため、素材の香りがきわだちます。
- おなかを壊しやすい人にやさしい……硬度が小さい水は胃腸への負担も軽く、おなかにもやさしい。
日本人に適しているといわれる軟水ですが、デメリットもあります。それは、軟水では現代人に不足しがちといわれるミネラルの補給ができないことです。
※水の分類をするための“硬度”の計算方法は国によって違いがあります。
※硬水と軟水の分類も国によって違いがあります。
出典