- 保険は多数の者が保険料を出し、事故などが起きたときに保険金を給付する制度。保険会社によって運営される営利事業。金融庁が監督省庁で保険業法に基づく。
- 共済は組合員が掛け金を出し、事故などが起きたときに共済金を給付する制度。協同組合などによって運営される非営利事業。監督省庁や基づく法律は各共済により異なる。
万一の事故や病気に備えて、保険や共済に入っておきたいと考える人は多いと思います。しかし、その違いについてきちんと理解している人は少ないのでは?
基本となる保険と共済の特徴やメリット、デメリットについて理解して、自分の目的や状況に合わせて加入しましょう。
保険
日本国内に居住していれば誰でも加入することができ、保険会社が破綻しても保護される制度があります。
保険では「保険料」「保険金」「契約者」「配当金」という用語が使われます。
保険の違い
公営保険:国や地方公共団体が運営 | 国民健康保険や厚生年金など |
私営保険:民間の保険会社が運営 | 主に生命保険と損保保険 |
私営保険は、基本的に営利事業ですが、相互扶助を目的とした相互会社が運営する生命保険は、非営利事業になります。
相互会社とは、保険業法で保険会社のみに設立が認められている法人のことで、保険契約者が社員となっています。
保険加入希望者が出資しあって会社を作り、加入者に保険をおこなう形態です。
日本生命や住友生命など、日本には現在5社の相互会社が存在します。
保険のメリット
- 誰でも加入できる
- 種類が多く、自分に合ったものを選択できる
- 保険会社破綻時の保護制度がある
保険のデメリット
- 保険料が割高である(ネット銀行は人件費などが削減されるため、比較的安めに設定されています)
- 保険料が性別や年齢で異なる
共済
地方自治体や労働組合など、特定の組合員やその家族のみが加入できます。
「組合員の助け合い」の理念のもとにおこなわれる非営利事業のため、掛け金が安く、あまったお金を共済加入者に還元する「割戻金」もあります。
共済では「掛け金」「共済金」「加入者」「割戻金」という用語が使われます。
監督省庁の違い
厚生労働省 | 『全労済』や『都道府県民共済』、『コープ共済』※1 |
農林水産省 | 『JA共済』※2 |
※1消費生活協同組合法に基づく
※2農業協同組合法に基づく
共済のメリット
- 掛け金が比較的安い(若い人の場合は保険よりも割高になる場合があります)
- 決算であまったお金があれば「割戻金」がある
- 掛け金が一律でわかりやすい
共済のデメリット
- 組合員でないと加入できない(出資金を支払うことで組合員になれるものもあります)
- 保障金額が少なめ
- 貯蓄に向いたものが少ない
- 組合が破綻した場合の保護制度がない
*さまざまな保険、共済がありますので各保険、共済に詳細を確認してからの加入をオススメします。
出典